「人々を笑わせ、考えさせる業績」に贈られるイグノーベル賞。2015年にこの研究チームが化学賞を受賞した際、世界中のメディアは「ゆで卵を生卵に戻すユーモラスな研究」として大きく報じた。しかし、授賞式のコミカルなパフォーマンスの裏には、世界の最先端医療が直面していた絶望的な生産コスト問題を一気に打破する本質的な知恵が隠されていた。
キャッチーな見た目のインパクトとは裏腹に、産業界における実用性は絶大だった。実験室のジョークのように思えた VFD 装置が、実は先端サイエンスにおける最大のボトルネックを解き明かす鍵だったという事実は、学界のみならず製造業界全体に強烈なインスピレーションを与えた。