炎天下と過酷な全天候下で完走を果たせた最大の要因は、間違いなく彼女の経歴にある。やす子は高校卒業後、陸上自衛隊に入隊し、ドーザ(ブルドーザー)オペレーターとして施設科部隊に所属していた異色の経歴を持つ。自衛隊時代に鍛え上げられた基礎体力と、理不尽な状況にも耐え抜く圧倒的なメンタル耐性が、この過酷なレースの土台となった。
本番に向けた準備段階から、彼女のトレーニング方法は一線を画していた。多忙なバラエティ番組の収録合間をぬって行われた極秘訓練では、単に長距離を走るだけでなく、自衛隊時代の行軍訓練を彷彿とさせるメンタルコントロールが取り入れられていたという。足の痛みや過度の疲労が襲った際にも、「ハイ〜!」と明るい声を出しながら前を見据える姿勢は、過酷な環境下で隊員の士気を保つ自衛隊特有のメンタリティそのものだった。彼女のトレーナー陣も「根を上げない精神力の強さは過去の走者の中でも群を抜いていた」と証言している。