高級食パンブームの終焉を決定づけた最大の要因は、「日常食としての定着失敗」と「ギフト需要の一巡」にあります。2018年頃から加速したブーム初期において、高級食パンは「手頃なプチ贅沢」や「気の利いた手土産」として圧倒的な支持を集めました。しかし、1本(2斤)800円〜1,000円超という価格設定は、毎日の朝食として継続購入するには家計への負担が重すぎたのが実情です。
さらに、多くの消費者が一度体験したことで満足し、「リピート購入」へと結びつきませんでした。高級食パン特有の甘みやしっとり感は、生クリームや練乳、ハチミツを贅沢に使用することで実現されていますが、これが仇となり「毎朝食べるには甘すぎる」「トーストすると重い」といった声が目立つようになりました。市場が成熟するにつれて需要が先細りし、全国各地で過剰供給となった結果、高級食パン閉店ラッシュ理由の根底にある「客数激減」を招いたのです。