噂の核心にあるのが、心字池に架かる三つの太鼓橋だ。手前から「過去」「現在」「未来」を表すとされるこの橋には、「カップルで渡ると途中で絆が切れる」「過去の橋でつまづくと過去の恋に引きずられる」といったジンクスが存在する。これがいつしか飛躍し、太宰府天満宮全体が縁切りスポットであるかのような誤解へと発展した。
噂の真相を探ると、菅原道真公が京から太宰府へ無実の罪で左遷された悲運の歴史に行き着く。都に残された妻や家族との引き裂かれた別れの哀話が、後世になって「男女の縁を割く」という伝承にすり替わった説が有力だ。神道の観点から見れば、太鼓橋を渡る行為は参拝前に心身の穢れを祓い清めるための神聖な儀礼であり、決して男女の仲を裂くための仕掛けではない。