大手Q&AサイトやSNS、5ちゃんねるの医療相談スレッドには、深夜の歯痛に苦しむ切痛な告白が日常的に投稿されています。「深夜3時、激痛で目が覚めてから朝まで一睡もできず、壁に頭を打ち付けながらうずくまっていた」「救急車を呼ぼうかと本気で迷った」といった体験談は、決して誇張ではありません。
救急医療の現場におけるペインスケール(痛みの客観的数値評価:NRS 0〜10)において、急性歯髄炎の激痛は「8〜9」と測定されることが珍しくありません。これは尿路結石や重度の熱傷、骨折時の痛みに匹敵するレベルです。東京都内の救命センター勤務医は次のように証言しています。
「夜間救急に『痛くて狂いそうだから今すぐ麻酔をして抜歯してくれ』と青ざめた顔で駆け込んでくる患者さんが後を絶ちません。しかし、総合病院の救急外来は医科当直であり、当直医の内科医や外科医では歯科診療用のユニットや抜髄(神経を抜く)器具を扱うことができません。できる処置は痛み止めの点滴や座薬の投与といった対症療法に限られてしまうのが医療提供体制の構造的現実です」
また、歯痛バファリンカロナールなどを手当たり次第にチャンポンして服用し、肝機能障害や重度の胃潰瘍を引き起こして医科救急へ搬送される二次被害の事例も報告されています。痛みのあまり正常な判断力を失ってしまう前に、正しい医療リソースへのアクセス経路を知っておく必要があります。