ネット上の掲示板や受験ブログでは「河合塾のテキストを丸暗記すれば神大は余裕」という言説が散見されます。しかし、この言説には教育心理学的な観点から見逃せない重大な落とし穴が存在します。
第一の誤解は、「授業を受ければ勝手に記述力が身につく」という受動的姿勢です。河合塾のテキストは確かに各大学の過去問から抽出されたエッセンスが凝縮されていますが、それは授業後の徹底的な自力解き直しと添削復習を行って初めて血肉化するものです。授業の解説を聞いて「理解した気」になり、自学自習の時間を十分に確保しなかった生徒は、秋以降の記述模試で成績が頭打ちになります。
第二の盲点は、神戸エリア特有の「進学校コミュニティの空気感」です。神戸三宮校には神戸高や長田高などの生徒が多数在籍しているため、クラス内の学力水準が自然と高くなります。これが良い刺激になれば学習意欲を加速させますが、基礎力に不安を抱えたまま背伸びして上位クラスに入ってしまうと、周囲のスピード感に圧倒され、自己肯定感を損なってしまうリスクを孕んでいます。
大手予備校の看板に安心するのではなく、「自分の現状の学力レベルに合致したテキストとクラスを選択できているか」を客観的に見つめ直す勇気が必要です。