リリース当時から現在に至るまで、インターネット上で「あのMVに出ている踊り子は本物の芸妓・舞妓なのか?」「出演しているダンサーは誰なのか?」という疑問が頻繁に交わされてきました。この圧倒的な映像美を手掛けたのは、サカナクションの映像作品を数多く手掛ける気鋭の映像ディレクター・田中裕介監督です。
結論から明かすと、MVに出演している踊り子たちは京都の花街から招致した舞妓ではなく、オーディションで選ばれた現代のトップダンサーおよび表現力の高い女優陣です。振付を担当したのは、独創的なムービングで日本のカルチャーシーンを牽引するクリエイティブチーム「振付稼業air:man」。出演陣には、女優・ダンサーとして多方面で活躍する井端珠里、コンテンポラリーダンサーで振付家としても知られるホナガヨウコ、舞台で活躍する花代をはじめとする実力派パフォーマーが集結しました。
彼女たちが白塗りの和装メイクを施しながらも、繰り出すステップは伝統的な日本舞踊ではなく、コンテンポラリーダンスとクラブカルチャーが融合した極めてエッジの効いたモダンな動きです。この「和と洋」「伝統と現代」の激しい違和感こそが、視聴者に強烈な中毒性を植え付ける仕掛けとなりました。
さらに注目すべきは壮大なロケーションです。京都などの古都ではなく、山梨県・富士五湖のひとつである「本栖湖」の湖畔に巨大な特設ステージを設営し、霊峰・富士山をバックに撮影が行われました。夜明けから夕暮れ、そして夜へと移り変わる自然光のグラデーションの中で、メンバーの演奏と踊り子の群舞がワンカット風に展開する映像演出は、国内外で高く評価され、数々の映像アワードを受賞する快挙を成し遂げました。