「なぜ自分ばかり責められるのか」——そんな違和感を抱えながら、答えを出せずに疲弊していく妻たちは少なくない。精神的嫌がらせ(モラルハラスメント)の本質は、言葉や態度によって相手の自己肯定感を徹底的に削ぎ落とし、従属関係を作り上げる点にある。
社会心理学者の加藤諦三氏は、著書や論考の中で、不機嫌を武器にして相手をコントロールしようとする心理の根底には、幼児的な依存心や自己愛の歪みが潜んでいると指摘する。表向きは社会的に成功し、外面が良い人物ほど、家庭内では配偶者を自己の感情の吐き出し口にしがちだ。
こうした歪んだ支配関係から抜け出すには、まず専門的な心理カウンセリングなどを通じて、自らが置かれている状況を客観的に捉え直す視点が欠かせない。