子役としてのキャリアの中でも、今なお語り継がれる金字塔が、スタジオジブリの長編アニメーション映画『耳をすませば』である。彼が声を演じた天沢聖司は、夢に向かって真っ直ぐに突き進むヴァイオリン職人を目指す少年。透明感と情熱を併せ持ったあの声は、当時の彼の声そのものだった。
驚くべきことに、アフレコが行われたのは彼が14歳の頃。ちょうど声変わりの直前という極めて限られた奇跡のタイミングだった。アフレコ収録直後に声変わりが始まったため、あの甘く切ない声は二度と再現できない「一瞬の奇跡」としてフィルムに焼き付けられた。声優としての挑戦は、彼の才能が日本中に認知される決定的な出来事となった。