なぜ、Wordの表をコピーしてExcelに貼り付けると、無残なレイアウト崩れが発生するのでしょうか。この問題の本質は、両アプリケーションが持つデータ構造の根本的な設計思想の違いにあります。
Wordの表は、文書全体のレイアウトを美しく見せるための「装飾要素(リッチテキスト)」として設計されています。そのため、セル内での自由な段落改行、複雑な斜め罫線、セルごとの異なるマージン設定などが許容されています。一方、Excelは数式処理やデータ管理を目的とした「厳密な2次元マトリクス(行と列のグリッド)」です。
Word内で「Shift + Enter(段落内改行)」や「Enter(段落改行)」が含まれた表をそのままコピーすると、Excel側はその改行コードを行の区切りとして誤認識し、1つのセルに収まるべきデータが複数行にわたって勝手に分割されてしまいます。さらに、複数の列をまたぐ「結合セル」が存在する場合、貼り付け先のセル番地と整合性が取れなくなり、表全体が右下に階段状にズレるという最悪の現象を引き起こします。