なぜ富山でガラスなのか。その根底には、江戸時代から300年以上続く「富山の薬売り」の長い伝統が存在する。薬を入れるためのガラス瓶製造が発展し、昭和初期にはガラス職人たちが集まる一大拠点へと成長した歴史的背景がある。
1980年代以降、富山市は単なる産業から「造形芸術としてのガラス」への大胆な転換を推進。「富山ガラス造形研究所」や「富山ガラス工房」を設立し、世界中から新鋭アーティストを集めて育成してきた。半世紀近くかけて育まれたこのクリエイティブな土壌こそが、この美術館の背後にある最大の推進力だ。