Jリーグの歴史を振り返ると、試合結果のみならず日本サッカー界の制度そのものを大きく動かした決定的な誤審事件がいくつも存在します。
その代表例として語り継がれているのが、2019年5月の浦和レッズ対湘南ベルマーレ戦で起きた「幻のゴール事件」です。湘南の選手の放ったシュートがゴールネットを揺らし、逆側のサイドネットに当たって跳ね返ってきたにもかかわらず、審判団はインプレーと誤認して試合を続行。誰もが目撃した明白な得点が見逃されたこの出来事は、全国的なニュースとして大々的に報道され、JリーグにおけるVAR早期全面導入の引き金となりました。
また、ペナルティエリア外でのファウルがPKと判定されたケースや、オフサイドラインの見誤りによる得点取り消しなど、クラブの降格や優勝に直結する勝敗の場面で誤審が波紋を呼んできました。サポーターの間では「勝ち点を返してほしい」「再試合を行うべきだ」という声が常に上がりますが、サッカー競技規則の根本原則として「事実に関する主審の決定は最終である」と定められており、明らかな事実誤認であっても試合結果が後から覆ることは原則としてありません。