本誌が今回独占取材で足を踏み入れた稽古場には、凛とした緊張感が張り詰めていた。師匠である芝田山親方(元横綱・大乃国康)の視線が土俵上に注がれるなか、力士たちは汗と砂にまみれながら何度もぶつかり合う。
稽古のリアルは過酷そのものだ。しかし、ただ闇雲に体を痛めつけるような指導はそこにはない。大乃国康が培ってきた横綱としての経験に基づき、力士一人ひとりの骨格や足腰の強さに応じた物理的かつ論理的な稽古プランが組み立てられている。怪我を防ぎながら下半身の粘りを鍛え上げる緻密な育成方針こそが、本場所での土俵際で見せる粘り腰の源泉である。