独裁体制の崩壊直前となる1989年、コマネチは命がけの夜間越境を経てアメリカへと亡命を果たした。泥と氷にまみれた過酷な脱出行と、自由を手に入れた後に直面した資本主義社会の洗礼は、彼女の半生をさらにドラマチックなものへと変貌させた。
現在、彼女は元アメリカ体操金メダリストのバート・コナーと幸福な家庭を築き、オクラホマ州を拠点に後進の育成やスペシャルオリンピックスのグローバル・アンバサダーとして精力的なチャリティ活動に従事している。波乱万丈の苦難を乗り越え、彼女は自らの手で尊厳と平穏を勝ち取ったのだ。