アブミ骨の形状には人種差がある。底板の形状やアーチの高さ、脚の太さなどは民族によって微妙に異なる。人類学者はこの特徴を利用して、古代人骨の分類や移動経路の解明に役立てている。
考古学的発掘現場では、他の骨が風化しても、密度が高く小さなアブミ骨は比較的良好に保存されることがある。数千年前の人類のアブミ骨を分析することで、当時の人々の聴覚能力や疾患の歴史を推測できる。
現代の法医学においても、アブミ骨は身元特定の補助的情報となる。焼損遺体や白骨化した遺体において、他の骨が破損していてもアブミ骨が残っていれば、年齢推定や性別判定の手がかりになることがある。