幹細胞研究・知的財産権ニュースにおいて、常に比較対象となるのが山中伸弥教授の成果である「iPS細胞」だ。遺伝子導入によって作成されるiPS細胞は、既に臨床応用が進み、強固な国際特許網を確立している。一方、STAP概念が目指した「外部刺激による多能性幹細胞の誘導」は、作製の簡易さという点において理論上強力な魅力を保持していた。
もし物理的・化学的ストレスによる細胞初期化の広義特許が米国で一部でも認められれば、既存のiPS細胞技術やその他の幹細胞作製技術と権利範囲が交差するリスクが生じる。知財関係者が最も恐れるのは、この「グレーゾーンの特許」が将来的に再生医療ビジネスの足かせとなる事態だ。