事件が起きたのは、沖縄海洋博覧会開幕の前日である1975年7月17日でした。皇太子ご夫妻が糸満市の「ひめゆりの塔」へ慰霊に訪れた際、敷地内の地下壕(ガマ)に潜伏していた知念功氏と奥平康弘氏の2名が、至近距離から火炎瓶や牛乳瓶を投擲したのです。
火炎瓶の炎は足元数メートルの位置で燃え上がりましたが、警備員や警察官が即座に盾となって防いだため、ご夫妻に直接の怪我はありませんでした。現場は白煙と怒号に包まれ、知念氏らはその場で公務執行妨害および火薬類取締罰則違反の現行犯で逮捕されます。
なお、同日には糸満市の白銀堂(白銀洞)においても別の過激派グループが潜伏し、火炎瓶等を用意して待機していた事件(白銀洞事件)が発覚するなど、当時の沖縄全土が極度の警戒態勢と緊迫感に包まれていました。