現在、最も熱い視線を浴びているのは「生地そのものを味わう」ミニマルなアプローチだ。エシレなどの高級発酵バターと粗糖だけでシンプルに焼き上げたシュガーバタークレープは、誤魔化しが利かないからこそ職人の腕がダイレクトに伝わる。高温の鉄板で一気に水分を飛ばし、外側を極限までクリスピーに仕上げた一枚は、噛むほどに小麦の豊かな甘みが口いっぱいに広がる。
甘いスイーツの枠組みを飛び越え、ランチやディナーの主役に躍り出た食事系メニューの充実度も目を見張るものがある。自家製ローストビーフ、トリュフオイルをまとったマッシュルーム、旬のグリル野菜。製菓と調理の境界線が溶け合い、一枚の生地は今や無限のキャンバスとなった。素材のポテンシャルを引き出す確かな技術が、舌の肥えた現代人を虜にしている。