インターネット掲示板やSNSでは、時折「Aqua Timezは等身大のラブソングだけの一発屋だったのではないか」という無責任な言説が散見されます。しかし、客観的な音楽データとディスコグラフィを検証すれば、その言説が明白な誤認であることは一目瞭然です。
バンドはデビュー以降、アニメ『BLEACH』劇場版主題歌となった「千の夜をこえて」でオリコン最高5位、ドラマ『ごくせん』第3シリーズの主題歌「虹」では着うた・着うたフル合算で200万ダウンロードを突破し、最高2位を記録。NHK紅白歌合戦にも2度の出場を果たしています。シングル・アルバム累計売上は数百億円規模に達しており、商業的にもカルチャー的にも平成のJ-POPを代表するトップランナーの一角でした。
にもかかわらず、なぜ「等身大のラブソング」ばかりが突出して記憶されるのか。それは、この楽曲があまりにも純粋なリスナー主導のバイラル現象によって生まれたためです。タイアップの力でブームを作った楽曲以上に、人々の青春の個人的な記憶と結びついているからこそ、象徴的なマスターピースとして時代に刻み込まれているのです。