きらびやかなスポットライトが当たる披露宴とは無縁の、静謐な空気が漂う境内だった。二人が挙式に選んだ愛宕神社は、徳川家康の命によって建立された歴史ある場所だ。なぜ彼らはこの場所を選んだのか。それは、派手さを嫌い、日本の伝統的な美を重んじる杏の強いこだわりがあったからだと言われている。
雅楽の音色が響く中、ゆっくりと歩みを進める二人の姿は、まるで映画のワンシーンのようだった。見守る親族もごくわずか。メディアの取材をシャットアウトし、ただ純粋に家族としての誓いを立てることに集中したその選択は、当時の芸能界における「結婚式のあり方」に一石を投じることとなった。