せっかく農園を訪れたのなら、誰もが一番甘い房を手に入れたいはずだ。新品種の開発や優れた栽培技術で全国的にその名を知られるぶどう栽培の第一人者・志村富男氏をはじめとする現地生産者に、美味しい果実の見分け方を直伝してもらった。
シャインマスカットを選ぶ際、多くの人が「鮮やかなエメラルドグリーン」を手に取りがちだが、実はこれは大きな勘違いだという。本当に熟して糖度が乗った完熟房は、皮の色がやや黄色みがかった「黄緑色」へと変化する。一見すると熟しすぎに見える黄色い粒こそが、口に入れた瞬間に芳醇な香りと圧倒的な甘みが弾けるサインなのだ。
さらに、濃い紫色の巨峰や伝統ある甲州ぶどうを選ぶ場合は、粒の表面に「ブルーム」と呼ばれる白い粉がまんべんなく付着しているかを確認したい。この白い粉は果実自体が乾燥を防ぐために分泌する天然の保護膜であり、新鮮さと完熟度の証でもある。軸が青々として太く、房の底まで粒がギッシリと詰まったものを選ぶのが、プロの教える確実な目利き術だ。