近年、リゾートの楽しみ方は「観る観光」から「整える体験」へと劇的なシフトを遂げた。デジタル社会の緊張感から離れ、自律神経の調和を取り戻すための「湯治(とうじ)スタイル」が若い世代や海外からの旅行者にも拡大している。
なかでも草津町が誇る伝統の「合わせ湯」は、まさに現代のウェルネス思考に完璧に合致する。温泉成分の濃い源泉を水で薄めることなく、自然冷却によって温度を調整する先人の知恵。温度の異なる複数の湯船を順に入り比べることで、身体への負担を抑えながら深部温度をじわじわと高めていく。このプロセスがもたらす圧倒的な開放感と疲労回復効果が、今ふたたび評価を高めている。