澤瀉屋の名跡は、幕末から明治にかけて活躍した初代市川猿之助によって創設されました。代々の当主がいずれも卓越した工夫と進取の気性に富んでいたことが、この家系の大きな特徴です。
▼ 歴代市川猿之助の系譜
- 初代市川猿之助(後の二代目市川段四郎):澤瀉屋の祖。立役として活躍し、新たな流派の礎を築く。
- 二代目市川猿之助(初代市川猿翁):ロシア演劇や西洋舞踊を取り入れ、新作歌舞伎の発展に尽力。晩年に初代猿翁を名乗る。
- 三代目市川猿之助(二代目市川猿翁):スーパー歌舞伎を誕生させ、歌舞伎ブームを巻き起こした巨星。2012年に二代目猿翁を襲名。
- 四代目市川猿之助(前名:二代目市川亀治郎):類まれな身体能力と知性で、古典からスーパー歌舞伎II『ワンピース』まで幅広くヒットを生み出した。
また、澤瀉屋には「市川猿之助」のほかにも重要な名跡が存在します。
- 市川段四郎:代々、家の重鎮や実力派が受け継ぐ極めて重要な名跡。
- 市川中車:市川宗家とも深い縁を持つ名跡で、九代目を香川照之が継承。
- 市川團子:澤瀉屋の将来を嘱望される若手が名乗る登竜門的名跡。
このように、澤瀉屋の名跡群はそれぞれが独自の役割を持ちながら、一族の結束と舞台成果を支え合ってきた歴史があります。