オッドアイの猫を語る上で避けて通れないのが、「難聴リスク」や「短命の噂」です。ネット上では「オッドアイの猫は耳が聞こえない」「病弱ですぐに亡くなってしまう」といった不安の声が散見されますが、黒猫に関しては誤解されている部分も少なくありません。
白猫のオッドアイに高確率で聴覚障害が見られるのは、優性白遺伝子(W遺伝子)が内耳の蝸牛(かぎゅう)にあるコルチ器の形成を阻害してしまうためです。青い目の側と同じ側の耳に約60%〜80%の高確率で先天性難聴が発生することが科学的に証明されています。しかし、黒猫のオッドアイはW遺伝子による発現ではないケースが多いため、白猫のような遺伝性難聴を併発するリスクは大幅に低いと考えられています。
ただし、飼い主が注意しなければならないのは「先天性」と「後天性」の違いです。生まれた時から左右の目の色が違う先天的なオッドアイであれば、寿命や基礎体力そのものは一般的な黒猫と何ら変わりません。健康な黒猫の平均寿命である15歳前後まで問題なく生きることができます。一方で、成猫になってから片方の目の色が濁ったり青白く変色したりした場合は、ぶどう膜炎、緑内障、白内障、角膜潰瘍、あるいは眼内腫瘍などの深刻な疾患のサインです。急激な目の色の変化に気づいた際は、迷わず動物病院で眼圧測定やスリットランプ検査を受ける必要があります。