赤塚不二夫による昭和の原作『おそ松くん』と、平成から令和を駆け抜けるアニメ『おそ松さん』では、共有された記号を持ちながらも、キャラクターの年齢や立ち位置に決定的な再構築が施されています。両者の設定差と公式データを整理した比較表が以下となります。
原作漫画における彼らは、誰が誰だか両親の松野松造・松代ですら見分けがつかないという「同一性のギャグ」が主眼に置かれていました。しかし、2015年のアニメ化に際して監督の藤田陽一やシリーズ構成の松原秀らは、彼らを一挙に20代前半の童貞ニートへと成長させました。
長男のおそ松(赤)を筆頭に、次男・カラ松(青)、三男・チョロ松(緑)、四男・一松(紫)、五男・十四松(黄)、末っ子・トド松(ピンク)というイメージカラーが割り振られ、同じ顔でありながら目元や口元、立ち振る舞いに微細な個性が注入されたのです。同日生まれの6人が、成人しても実家の一室で雑魚寝を続けながら繰り広げる不条理な日常劇は、昭和のナンセンスギャグを令和の若者文化に見事に接続させました。