ブルーシャトーが長年拠点を置く「新市街」は、熊本市電の辛島町電停からすぐ、アーケード街のサンロード新市街を中心に下通・花畑町エリアと連動する熊本随一の商業・歓楽エリアです。熊本城の城下町として発展した歴史を持ちながら、戦後から高度経済成長期にかけて劇場、パチンコ店、サウナ、キャバレーなどが密集する大衆娯楽の聖地として独自の発展を遂げてきました。
かつて昭和から平成初期の時代、繁華街のナイトスポットや男性専用サウナ、サウナ付きレストハウスには「シャトー(城)」や「ブルー」「グリーン」といったヨーロッパ風の名称を冠する店舗が全国各地で流行しました。ブルーシャトー熊本もそうした歓楽街カルチャーの最盛期に誕生し、夜の街で働くスタッフや、仕事を終えて深夜に癒やしを求めるサラリーマンたちの止まり木として重宝されてきた経緯と理由があります。
しかし、平成後期から令和にかけての数十年で、熊本市中心街は桜町再開発(サクラマチ クマモトの誕生)などによって急速に近代化が進みました。ガラス張りの洗練された複合ビルや大手チェーン店が立ち並ぶなか、昭和の残り香を色濃く残す建物や施設は、良くも悪くもノスタルジックな異彩を放つことになります。時代の潮流に取り残されたかのようなレトロな佇まいこそが、知る人ぞ知るディープスポットとしての求心力を保ち続ける一方で、「今も営業しているのか」という外観上のギャップを生み出す根本原因となっています。