彼女の凄みは、作品のジャンルを選ばないその自在な適応力にある。映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』で見せた迫真の演技は、観る者の息を呑ませた。狂気と隣り合わせのサスペンス・ミステリーという難度の高い世界観において、追い詰められたヒロインの心理的葛藤を見事に表現しきった。
一方で、シリアスな重厚劇からコメディタッチの痛快作まで、演じ分ける振り幅の広さも一級品だ。シリアスな愛憎劇で見せる静かな狂気と、アクション・コメディで見せる弾けるような躍動感。その落差こそが、キャスティングオファーの絶えない理由である。作品ごとに全く異なる顔を見せるその姿は、まさにカメレオン俳優そのものと言えるだろう。