「見た目のハードルさえ超えれば、これほど風味豊かな食材はない」——そう語るシェフが増えている。いま最も注目を集めているのは、従来のイメージを完璧に覆すクリエイティブな料理の数々だ。例えば、フタホシコオロギを香草とともに低温でじっくり揚げたディッシュは、高級な小エビのフリットを思わせる軽快な食感と深いコクを併せ持つ。パウダー加工に頼らず、素材そのものの旨味を最大限に引き出す手法がトレンドだ。
さらに、タケムシのバターソテーは上質な濃厚チーズのようなクリーミーな後味を残し、トノサマバッタの炙り焼きは香ばしい香草塩との相性が抜群である。食覚のイノベーションは止まらない。単なる珍味という域を完全に脱し、ワインやクラフトビールとペアリングして味わう大人の上質な嗜好品として、都市部の感度の高い層を中心に急速に定着しつつある。