デジタル環境の激変も、この文化のあり方を大きく変えた。Spotifyに代表される音楽ストリーミングサービスの普及によって、リスナーの楽曲発見のプロセスは一変した。かつては音楽誌のレビューや深夜ラジオが新人の登竜門だったが、今や世界中のアルゴリズムが個人の好みに合わせたプレイリストを瞬時に生成する。
だが興味深いのは、こうしたアルゴリズム全盛の時代にあっても、音楽メディア「rockinon.com」などが発信するディープな文脈や物語に対するニーズが衰えていない点だ。単に「ノリが良い曲」を聴くだけでは満たされない感情の穴を埋めるため、ファンは依然としてテキストや言葉の奥にあるドラマを探し求めている。アルゴリズムが提示するトラックの裏側にある「物語」を補完する存在として、このシーンのメディア機能は今なお力強い役割を果たしている。