噂の真相を突き詰めていくと、映画制作の舞台裏に見えるプロ意識に行き着く。監督・北野武としての作品づくりにおいて、髪型は役柄の印象を決定づける最重要パーツだ。特殊メイクやかつらの使用は、キャラクター造型においてごく日常的に行われている。
撮影現場のスタッフによると、劇中でのカツラ着用を自らネタにして現場を和ませる場面も少なくないという。映画『首』のような本格時代劇の撮影では、緻密に計算された髷(まげ)やカツラを装着し、何時間にも及ぶ撮影に耐えた。プライベートでカツラを愛用しているというよりは、役に合わせたヘアメイクの精度があまりにも高く、それが噂の引き金になったというのが真相に近い。