かつて芸能と商人の活気に満ち溢れていた東京都台東区上野。その南端に立つ地下2階・地上23階建ての超高層ビル「上野フロンティアタワー」の低層部を占めるのが、今回取り上げる商業スペースだ。伝統ある百貨店「松坂屋上野店」本館とシームレスに接続された空間設計は、足を踏み入れればすぐにその狙いが理解できる。
従来の若者向けカルチャーを前面に押し出すスタイルのPARCOとは一線を画し、上質な大人世代をターゲットに据えた絶妙なMD(商品計画)が貫かれている。下町の老舗が長年培ってきた「粋」の精神と、現代都市の洗練された感性がハイブリッドに融合。暖簾をくぐるような感覚で最新トレンドにアクセスできる稀有な立ち位置を確立した。