華々しいテレビでの活躍の一方で、周富徳氏の人生には幾度もの深い影が差しました。自らの名を冠した店舗展開や多角経営を急速に進めた結果、バブル経済の崩壊とともに多額の負債を抱える事態に直面します。
さらに、人気絶頂期に巻き起こった税務トラブルや女性問題などのスキャンダル報道が追い打ちをかけ、一時期はメディアの第一線から姿を消すことを余儀なくされました。巨額の金銭トラブルや信じていた人物の裏切りなど、文字通り波乱万丈な運命に翻弄された時期もありました。
それでも周富徳氏は決して料理への情熱を捨てることはありませんでした。メディアの狂乱から離れた後も、自らが原点とする厨房に立ち続け、フライパンを握ってお客様に直接料理を振る舞う現場至上主義を貫き通しました。その不屈の姿勢こそが、彼が真の職人として同業者やファンからリスペクトされ続けた所以です。