日本人学習者が最もつまずきやすいのが、「平音(へいおん)」「激音(げきおん)」「濃音(のうおん)」という3種類の異なる子音の出し分けと聞き分けです。日本語話者は無意識に「清音(か)」と「濁音(が)」の対立で音を捉えがちですが、韓国語は「息の強弱」と「喉の緊張度」によって意味を区別します。
この3つの違いを身体感覚として体得するための決定的な練習法が、口の前に薄いティッシュペーパーをかざすメソッドです。
- 平音(ㄱ, ㄷ, ㅂ, ㅈなど):ティッシュが「少しだけ揺れる」程度に、脱力して自然に息を吐き出す音です。文頭では澄んだ無声音(カ、タ、パ)、母音に挟まれた文節中では濁音化(ガ、ダ、バ)します。
- 激音(ㅋ, ㅌ, ㅍ, ㅊなど):ティッシュが「激しく前方に吹き飛ぶ」ように、喉の奥から強烈に息を噴射する音です。英語の「P」「T」「K」の破裂音に近いイメージで発声します。
- 濃音(ㄲ, ㄸ, ㅃ, ㅉ, ㅆ):ティッシュが「1ミリも揺れない」ように息を完全に止め、喉をギュッと引き締めて絞り出す音です。日本語の「ちがっ…」「あっ…」と息を止めた瞬間の緊張感を保ったまま、次の母音を鋭く発音します。
母音に関しても同様です。日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5つしかありませんが、韓国語の基本母音は10個、合成母音を含めると21個存在します。特に混同しやすいのが「ㅓ(オ)」と「ㅗ(オ)」、そして「ㅡ(ウ)」と「ㅜ(ウ)」の違いです。「ㅓ」はあくびをする時のように指が2本縦に入るほど口を大きく開けて発音する「オ」であり、「ㅗ」は口笛を吹くように唇を丸く突き出す「オ」です。また「ㅡ」は口角を左右に思い切り引っ張り、イーの口のまま発音する「ウ」となります。口のフォームを鏡で確認しながら反復することが、ネイティブに通じる発音を作る絶対条件です。