どれほど見事に味付けされた保存食であっても、時間の経過とともに実がふやけたり、逆にスカスカになってしまっては台無しだ。プロフェッショナルを育成する辻調理師専門学校の調理技術理論においても、食材の水分活性をコントロールする「脱水と密閉」の工程が極めて重要視されている。
冷蔵保存の場合、漬け汁から実の頭が出ないようラップを表面に密着させる「落としラップ」を施すことで、酸化とカビの繁殖を完全に防ぐことができる。清潔な保存瓶を用いれば、醤油漬けで約半年、15パーセントの塩漬けであれば冷暗所で約1年間の品質維持が可能だ。
さらに、旬の香りをそのまま長期ストックするなら小分け冷凍が圧倒的に便利である。下茹でして水分を完璧に拭き取った実を、金属トレイに広げて急速冷凍。凍結後にフリーザーバッグへ移して空気をしっかり抜けば、実同士が固まることなくパラパラの状態で使いたい分だけ取り出せる。解凍しても細胞壁の破壊が最小限に抑えられ、獲れたてのような弾ける食感が蘇る。