パンツの美しいラインとテーラリングの深化を語るうえで、ジョルジオ・アルマーニの功績は外せない。1980年代、彼が提案した落ち感のあるアンコンストラクテッド・スーツは、硬質な仕立てを排し、豊かな太もも周りのゆとりから流れるような美しさを紡ぎ出した。
一方で、アメリカントラディショナルの歴史を背負うブルックス ブラザーズは、伝統的なチノパンやドレスパンツにおいて、動きやすさと気品を兼ね備えた独特のワタリ設定を守り続けてきた。時代を超えて愛される名作には、例外なく計算し尽くされた腿周りのゆとりが存在する。仕立ての歴史を知ることは、現代の服選びにおける確かな物差しとなる。