北条高時の死によって140余年続いた鎌倉幕府は完全に滅亡したかに見えましたが、その血脈と執念は途絶えていませんでした。高時の遺児である北条時行の存在です。
高時の家系図を振り返ると、父・貞時、祖父・時宗、曽祖父・時頼と、鎌倉幕府の全盛期を築いた英傑たちが名を連ねています。東勝寺合戦の混乱の中、幼少の時行は家臣の手引きによって奇跡的に鎌倉を脱出。信濃国の御家人・諏訪頼重らの庇護を受けながら力を蓄えました。
1335年、時行は鎌倉幕府再興を掲げて挙兵し、足利直義の軍勢を打ち破って一時的に鎌倉を奪還する「中先代の乱」を引き起こします。この蜂起は短期間で足利尊氏により鎮圧されますが、時行はその後も南北朝の動乱の中で南朝側に属し、生涯をかけて足利勢力と戦い続けました。漫画『逃げ上手の若君』の主人公として描かれた時行の不屈の戦いは、まさに父・高時が無念のうちに散った鎌倉の地を取り戻すための壮大なリベンジだったのです。