サンリオの歴史を紐解くと、各年代の世相やファッショントレンド、子どもたちのライフスタイルがキャラクター造形に色濃く反映されていることが分かります。ここでは、日本のファンシーカルチャーを牽引してきた3つの時代ごとに、代表的なキャラクターの軌跡を振り返ります。
1970年代:アメリカンカルチャーと素朴なファンシーの夜明け
1970年代は、現在も世界的人気を誇るハローキティ(1974年誕生)やリトルツインスターズ(キキ&ララ・1975年誕生)が生み出された創業期の黄金時代です。特に当時の中高生から絶大な支持を集めたのが、パティ&ジミー歴史の原点となったアメリカ・カンザスシティ出身の小学生カップルです。1974年に誕生したパティ&ジミーは、赤リボンに青いサロペット姿のおてんばなパティと、黄色いキャップをかぶった読書好きのジミーという、当時の日本人が憧れた西海岸風のアメリカンカルチャーを色濃く反映していました。
また、風船を持った素朴な少女を描いたタイニーポエム(風の子さっちゃん・1975年)や、ノスタルジックな世界観で一世を風靡したピーク・ア・ブー(1977年)、ファンシーエレファント(1977年)など、サンリオ70年代キャラクター一覧を振り返ると、どこか詩的で絵本のようなぬくもりを持つデザインが主流だったことが窺えます。
1980年代:ポップアートとキャラクター百花繚乱の黄金期
バブル経済へと向かう好景気とファンシー文具ブームが重なった1980年代は、サンリオ史上最も多種多様でエッジの効いたキャラクターが次々と誕生した時代です。カミナリの国で生まれたイタズラ好きな3つ子兄弟であるゴロピカドン(1982年)や、蝶ネクタイがトレードマークのおしゃれなペンギン・タキシードサム(1979年登場・80年代本格展開)、ちょっぴりドジでお人好しなアザラシのハンギョドン(1985年)など、個性派が次々と主役に躍り出ました。
さらに、うさぎの女の子を中心としたメルヘン調のチアリーチャム(1979年/80年代大ヒット)や、フランスのパリ郊外で生まれた心優しいウサギの女の子を描いたマロンクリーム人気(1985年)は、手芸やカントリー雑貨ブームと融合し、小中学生女子の心を鷲掴みにしました。また、1984年に登場した「みんなのたあ坊」は、素直で前向きなメッセージが幅広い世代の共感を呼び、サンリオの枠を超えた社会現象となりました。これらサンリオ80年代キャラクターは、現在も多くのファンに愛される骨太な名作揃いです。
1990年代:クール&ストリートカルチャーの台頭と多様性
平成初期の1990年代に入ると、裏原宿カルチャーや渋谷系ファッションの流行に伴い、少し生意気でストリート感のあるキャラクターが台頭します。その筆頭が、いたずら好きでひねくれ者だけど根はいいヤツな「バッドばつ丸」(1993年)や、寄り道が大好きなイヌの男のコ「ポチャッコ」(1989年誕生・90年代前半に圧倒的人気)、のんびり屋でおっとりしたカエルの男のコ「けろけろけろっぴ」(1988年誕生・90年代初期の覇者)です。
加えて、あひるのペックル(1990年)やおさるのもんきち(1991年)、コロコロクリリン(1998年)など、サンリオ90年代懐かしいキャラクターは、親しみやすさとユーモアを兼ね備えたビジュアルで、男子小学生や高校生の間でも日常的にグッズが愛用されるカルチャーへと発展しました。