最新の免震・制震ビルに住んでいるから安心、という油断は禁物だ。構造体が持ちこたえても、室内の安全が自動的に保たれるわけではない。住民一人ひとりのロジカルな備えが不可欠となる。第一に見直すべきは、従来の「倒れないための固定」から「滑らないための固定」への意識改革だ。
長時間の水平揺れに対しては、L字金具での壁面固定に加えて、家具の底面に高分子粘着マットを敷き詰め、床と天井を強力な突っ張りポールで挟み込む三位一体の固定法が有効とされる。特に、キャスター付きの大型冷蔵庫やオフィス用什器には、専用のロック機構と床面ストッパーを併用しなければならない。また、エレベーターが長時間停止することを想定し、高層階の各家庭では最低1週間分の飲料水と非常用トイレ、可搬型ポータブル電源の確保が推奨されている。