ニュータウンとは、急激な人口集中による大都市圏の住宅難を解消するため、郊外の広大な土地に計画的に建設された大規模な住宅市街地を指します。日本における本格的な開発は昭和30年代後半(1960年代)から始まりました。
法的な裏付けとなったのが、1963年に制定された「新住宅市街地開発事業」です。この制度に基づき、行政や都市再生機構(旧・日本住宅公団など)が主導して山林や農地を一括買収し、道路、上下水道、学校、公園、商業施設をパッケージとして一体的に整備しました。単なる住宅の集合体ではなく、街全体をゼロから設計する国家規模のプロジェクトだったのです。
昭和期のニュータウン開発における最大の特徴は、歩行者専用道路と車道を立体交差などで完全に分離する「歩車分離(ラドバーン方式)」の導入や、生活圏ごとに小中学校や近隣センターを配置する整然とした都市計画にありました。当時の人々にとって、緑に囲まれ、子どもが安全に通学でき、水洗トイレやダイニングキッチンを備えた団地や一戸建ては、まさに「憧れの暮らし」そのものでした。