二人の出会いは高校時代にまでさかのぼる。当時の佐田は、福岡県内でもその名を知られた不良少年だった。暴走族「福岡連合」の総長として荒れ果てた日々を送っていた男の前に現れたのが、のちに妻となる女性だ。
周囲が威圧感に気おされるなか、彼女だけは違った。佐田を特別な存在として祭り上げるのではなく、一人の等身大の高校生として接した。警察の厄介になったりトラブルに巻き込まれたりしても、彼女は決して見捨てなかった。むしろ、感情をストレートにぶつけ、時には命がけで暴走に歯止めをかけようとしたという。
若き日の危険な情熱と背中合わせにあった純愛。伝説的なヤンキーカルチャーの渦中にありながら、彼女の存在こそが佐田を社会の闇から引き戻す錨になっていたのだ。