2026年9月から10月にかけて、農林水産省および各自治体の病害虫防除所は相次いで病害虫発生予察注意報を発令しました。カメムシ類を対象とした注意報がこれほど広域で一斉に出されるのは極めて珍しく、最終的に愛媛県、高知県、徳島県、香川県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、広島県、岡山県、島根県、山口県、兵庫県、京都府など、四国・九州・中国・近畿を中心とする14府県にまで拡大しました。
最も激しい打撃を受けたのは果樹農家でした。対象となった果樹カメムシ類(主にツヤアオカメムシやクサギカメムシ)は、収穫期を迎えたナシ、カキ、ミカン、リンゴなどの果実の汁を吸う害虫です。針のような口吻を果実に突き刺して果汁を吸うため、果皮が凸凹に変形したり果肉がスポンジ状に壊死したりして、出荷不能になる農業被害が続出しました。
ある地域の果樹園では、平年の数十倍から百倍以上となるトラップ捕獲数が記録され、夜間に照明を落とす、果実袋を二重にするなどの自衛策を講じても追いつかないほどの壊滅的な損害が発生。農業被害にとどまらず、市街地の商業施設や住宅地、交通機関の駅舎にまで大量の個体が押し寄せ、社会問題へと発展しました。