かつてジャニーズ事務所に所属していた聖の存在は、幼い樹にとって大きな憧れであり、超えるべき壁でもあった。聖が主演を務めたドラマ『特急田中3号』などで見せたコミカルかつ存在感ある演技は、当時から業界内で高い評価を受けていた。その表現者としてのDNAは、確実に弟へと受け継がれていく。
樹のキャリアにおける決定的な転機となったのが、ドラマ『私立バカレア高校』への出演だ。この作品で共演した仲間たちと共に後のSixTONES結成への足がかりを掴んだ樹だが、その裏には「田中聖の弟」という重圧と格闘する日々があった。兄が切り開いたラップという武器を自らのものへと昇華させ、グループの音楽的骨格を創り上げたプロセスには、血のつながり以上のプロとしての意地が宿っている。