フルマラソンペース表一覧!サブ3〜完走の5Kmラップと30Km攻略法

フルマラソンペース表一覧!サブ3〜完走の5Kmラップと30Km攻略法

フルマラソンペース表一覧!サブ3〜完走の5Kmラップと30Km攻略法の特集記事をお届けします。役立つ情報がチェックできます。

「レース後半はどうせバテるから、体が動く前半のうちにできるだけタイムの貯金を作っておきたい」――。ランニング指導の現場や市民ランナーの座談会で今なお頻繁に聞かれるこの発想こそが、フルマラソンで最も悲惨な失速劇を引き起こす元凶です。

運動生理学およびランニング学会の研究報告によると、人間の体内(肝臓および骨格筋)に蓄えられているグリコーゲン(糖質エネルギー)は、体重60kgの成人男性で約1,500〜2,000kcal程度に過ぎません。フルマラソンを完走するために必要な消費エネルギーは約2,500〜3,000kcalに達するため、必然的に体脂肪を燃焼させながら走るエネルギーハイブリッド状態を維持する必要があります。

しかし、目標ペースよりわずか1kmあたり10〜15秒速く走るだけで、無酸素性作業閾値(AT値)を超え、エネルギー源としての糖質依存度が跳ね上がります。その結果、30km地点手前でグリコーゲンが完全に枯渇し、足が鉛のように重くなる「筋グリコーゲン枯渇ショック(いわゆる30kmの壁)」が発生するのです。

さらに、行動経済学における「プロスペクト理論」が示す通り、人間は「将来の損失を恐れるあまり、非合理的な先行投資に走る」心理傾向を持っています。スタート直後のアドレナリン分泌と周囲の集団の速い流れに飲まれ、「今日はいける気がする」と錯覚してペースを上げる行為は、生理学的にも心理学的にも自滅への直行便であると知るべきです。

石川 優花
Author

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。