では、なぜこれほど立派な本名がありながら、芸名である「横山裕」として活動することになったのでしょうか。その背景には、故・ジャニー喜多川氏によるあまりにも直感的でユーモラスな命名エピソードが存在します。
ジャニーズ事務所(当時)に入所した当初、横山さんは本名の「横山侯隆」名義で関西ジュニアとしてレッスンやステージに立っていました。しかし、ある日ジャニー氏から「You、名前が長くて呼びにくいよ」「漢字が難しくて読めない」と指摘されます。
当時、ジャニー氏は周囲のタレントを呼ぶ際、親しみを込めて呼びやすい短い名前を好む傾向がありました。そこで放たれたのが「You、今日から『裕(ゆう)』にしちゃいなよ」という鶴の一声でした。
さらにこの「裕」という文字の選定理由については、ジャニー氏自身の本名である「喜多川 擴(ひろむ)」に由来しているという説や、ジャニー氏が個人的にお気に入りだった漢字を授けたという逸話が残されています。本人の意志とは別のところで電撃的に決まった芸名ですが、結果として誰もが一瞬で覚えられる親しみやすい名前として広く定着しました。