カラオケでも常に上位にランクインする『Lovers』ですが、実際に歌ってみるとテンポの速さと情報量の多さに苦戦するボーカリストも少なくありません。歌いこなすための重要なポイントは、「16ビートのリズムのハネ感」と「子音のアタック感」にあります。
Aメロ・Bメロは会話のように言葉が詰まっているため、前のめりにならずリズムの裏拍をしっかり意識して発音するのがコツです。息継ぎのポイントがタイトなため、フレーズの末尾をだらだら伸ばさず、歯切れよくスパッと切ることでグルーヴ感が格段に向上します。そして、サビの「ねえ」や「最後の最後に」で感情を一気に解放するようにダイナミクスをつけると、原曲の持つエモーショナルな推進力を再現できます。
また、楽器演奏の面では、コード進行にメジャーセブンス(M7)やドミナントコードの巧みな転回が多用されており、明るい中にもどこか切なさを帯びた都会的な響きが演出されています。アコースティックギターの弾き語りでもバンド演奏でも、コードの響きを一つひとつ濁らせずに鳴らすことが、あの独特の心地よい浮遊感を生み出す鍵となります。