かつて女子テニスと言えば、深く重いストロークを延々と打ち合う泥臭い耐久戦がイメージされがちだった。だが、今の高校コートで展開されているのは、息をのむような「時間奪取」の戦いだ。最新のトラッキングシステムが弾き出したデータによると、トップクラスの高校生による平均ショット間隔は、わずか3年前と比較しても0.2秒以上短縮されている。
「相手に準備の時間を与えない。ライジングで叩き、コートの内側に入って主導権を握り続けるのが今のトレンドです」。ある関東の強豪校を率いる監督はそう語る。一瞬の判断ミスが失点に直結する緊張感。打点の位置を以前より20センチ前に設定するためのステップワーク、そして体幹のブレを極限まで抑えるフォーム改善。練習風景を覗けば、そこには経験則だけに頼らない、緻密に計算されたアスリートたちの姿がある。