地域による呼び方の違いを知ると、「なぜ関東のスーパーでも普通にハマチが売られているのか」という疑問が湧きます。ここには、日本の近代水産流通が形作った「天然魚と養殖魚の呼び分けルール」が存在します。
昭和初期、香川県をはじめとする瀬戸内海沿岸でブリの養殖技術が確立されました。当時、養殖されていた魚のサイズが約40cm前後(関西でいうハマチサイズ)であったことから、市場では「養殖ブリ=ハマチ」というブランド名で全国に出荷されるようになった歴史があります。
現在でも水産市場の慣例として、「天然の若魚は地域名(イナダ・ツバス等)」「養殖されたものはサイズに関わらず全国でハマチ」と表記して流通させるケースが定着しています。刺身パックに「養殖ハマチ」と書かれている場合、それは西日本の海面生け簀などで計画的に育てられた脂乗りの良いブリの若魚〜成魚を指しています。