結論から言えば、ポール・ウォーカーが死亡したのはワイルドスピードの撮影現場ではありません。事故が発生したのは2013年11月30日、シリーズ7作目にあたる『ワイルド・スピード SKY MISSION』(原題:Furious 7)の撮影休止期間中でした。当時、感謝祭(サンクスギビング)の休暇を利用してプライベートで参加していた、自身が主催する慈善団体「Reach Out Worldwide」のチャリティイベントの帰路に起きた出来事です。
ではなぜ、「撮影中の車事故」という誤解が広まったのでしょうか。大きな理由は2点あります。1点目は、まさに映画の撮影が佳境を迎えていたタイミングでの急逝だったため、ニュース速報を目にした人々の間で「映画のスタント中の事故か」という誤った憶測が先行してしまったことです。
もう1点として、後のシリーズ第9作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』の撮影現場(2019年・英リーブスデン・スタジオ)において、スタントマンの男性がバルコニーから約9メートルの高さから落下して頭部を負傷する重大事故が実際に発生した経緯があります。このスタント事故の報道と、過去のポール・ウォーカーの悲劇がネット上で混ざり合い、「ワイスピの撮影中にキャストが死亡した」という不正確な噂が独り歩きしてしまったのが真相です。