かつて田中卓志といえば、「嫌われキャラ」や「モテない芸人」としての立ち回りが定番だった。だが、彼をよく知る関係者の間では、昔から「結婚するなら絶対田中さん」と言われるほど好感度が高かったのも事実だ。建築学科出身という理知的な一面や、紅茶や苔を愛する風流な趣味、そして何より他者への打算のない優しさが、彼の本当の魅力だったのだ。
交際期間中、二人は目立つ場所でのデートを避けつつも、家で一緒に料理を作ったり、たわいない会話を楽しんだりすることで絆を強めていった。悲しい別れを乗り越えた時期も、彼女の存在が田中の大きな支えとなっていたことは間違いない。不器用ながらも一途に一人を愛し抜く姿勢が、実を結んだのだ。