鱗滝を語る上で避けて通れないのが、手鬼によって命を奪われたかつての弟子たち、特に錆兎と真菰の存在である。弟子たちの安全を願い、命を守る呪い(まじない)として授けた「厄除の面」が、皮肉にも手鬼の標的となり弟子たちを死に追いやっていたという事実は、あまりにも残酷だ。
炭治郎に巨大な岩を護身の条件として突きつけたのも、これ以上弟子を死なせたくないという悲痛な拒絶の裏返しであった。自分が教えることで若者を死に向かわせているかもしれないという「育手の業」。その絶望的なトラウマを抱えながらも、なお人を信じ、炭治郎を包み込んだ彼の懐の深さに、涙を禁じ得ないファンは多い。